16 初めて「お婆さん」と呼ばれた日
ある夕方、散歩に出た私は、
水辺の公園で、波の動きを眺めていました。
そこは、ボラの大群が飛び跳ねるからです。
すると、遠くから、
小さな子どもの呼びかける声がしました。
「オバサーン、何見てるの?」
走り寄ってきたその子は、私のそばまで来て、
杖を突いているのに気付き、
また、言ったわ。
「オバアサン、何か、いるの?」
え、エェ?!
私は、心の中で動揺したのを
隠すのに必死だった。
ショック!!
だって、私、
オバアサンって呼ばれたの、
生まれて初めてのことだったんだもん。
でも、子どもは正直ね。
76歳の私の姿は、紛れもなく、
正真正銘のオバアサン。
辛うじて救われたのは、
遠目では、オバサンだった。
この日から、私は、
自分でも、自分のことを
「年寄りだから」「オバアサンだから」と、
あえて言うようになり、
他人にオバアサンと呼ばれたことがあっても、
ショックを受けないように、
自分で免疫をつけるようにしたの。エヘヘ😀
(そんなに卑下する必要もないんだけど、ね。)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
世間一般の普通の女性なら、
60歳前後に初孫が生まれ、
おばぁちゃんと呼ばれる日常生活となる。
そういう周りからの扱いによって、
本人も、だんだんと、
おばぁちゃんらしくなってきて、
髪型や服装も、地味なものに落ち着いていく。
それはそれで、幸せなことだけど、
孫が、おばぁちゃんと呼ぶだけでなく、
それまで、自分のことを
ママ、とか呼んでいた息子や娘が、
突然、おばぁちゃん、と呼ぶようになった時、
ちょっとした違和感を
覚えたりしないものだろうか?
日本は子ども中心の家族関係なので、
すべてが、子ども目線になってるのね。
なので、子どもが生まれると、
連れ合いのことを、パパと呼ぶようになる。
オレ、お前のパパじゃねぇよ、
なんて、反抗したりはしない。
お互い、相手の名前を呼ぶことを止め、
二人きりの時でさえも、パパ、ママ…。😀
(まれには、そうでない夫婦もいるかな?)
言語社会学的(?)には、面白い現象だ。
外国は、どうなのだろう?
おそらく、いつまでも、
お互いの名前を呼びあうような気がするわ。🙄
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初めて出会ったり、すれ違ったりする他人から、
自分が、どう呼び止められるかは、
いろいろ面白い体験をしてきた。
最初の経験で、強い衝撃を受けたのは、
「オクサン」。
私が初めて、そう呼ばれたのは、19歳の時。
結婚してるわけでもない私に、
オクサンと呼び止められて、
そんなに老けて見える?
と、ショックを覚えたものです。
大学の時、自炊生活のために、
生協のお魚売場に行った時の話なので、
「オクサン、美味しいお魚がありますよ」
的な、ありふれた状況だったけどね。
このオクサンという言葉は、
便利に使われていて、
相手が年を取った見かけでも、
決して、オバサン、オバーサンとは言わない。
客商売ならではの配慮なのだ。
日本語には、
女性を呼び止めるのにふさわしい言葉が
見つからないから、しょうがないのよネ。🙄
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
私が60歳くらいの頃、
スペインの街をぶらついていて、
突然、おじさんに話しかけられたことがあった。
セニョーリ!
えっ!エェ?!
私?私のこと?
私が戸惑う理由は、こうだ。
女性はセニョーラで、少女ならセニョリータ、
と、覚えたので、固い私の脳がパニック!
セニョーラ?セニョリータ?
どっちなのよ!
セニョーラと呼んでくれりゃ、
すぐ、自分のこととわかるのに。
日本でスペイン語を学んだ私の辞書には、
セニョーリなんて言葉は、ないのだ。
でも、今思えば、
スペイン男性の優しさかも知れない。
もしかしたら、セニョーラには、
オバサン的なニュアンスがあるのかも?
なので、曖昧戦略で、セニョーリ。
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英語の中にも、初対面の相手の苗字を呼ぶ時に、
男性なら、皆、ミスターで済むのに、
女性の場合、ミス、ミセスと呼び分ける。
初対面で、結婚してるかしてないかなんて、
わかるわけない。
どう判断してるのかしら?
なので、ミスとミセスの境目で
それは差別だと、叫ぶ人がいたのかも?
キャリアウーマンと呼ばれる人が増えて、
結婚しない生き方もあり、
という世の中になった。
英語の中では、職業の言い方も、
例えば、俳優をアクター、アクトレスのように
男性と女性とで区別していたけど、
ウーマンリブの運動の影響なのか、
最近は、アクターに収束してきている。
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そんなこんなで、話が長くなったけど、
私はね、おばぁちゃんと呼ばれたいの。
できれば、
かわいいおばぁちゃん、ってね。うふ。😀
by ころりん
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