30 コラム&エッセイ(1)「世界一弱いヒーロー」
文章を書くということは、
認知機能の程度を図るのに役立つ。
2年前、近所の大学の社会人講座で、30年ぶりに文章づくりを学んだ。
その時、私は74歳。
いろいろ病気をして、じっと家に閉じ籠り、
他人と話す機会がめっきり減った時だった。
体の運動機能が衰えるということは、
頭の機能も弱っているんじゃないか?
物忘れも増え、漢字も、うろ覚え。
危機感を感じた私は、
すぐに、文づくりの講座を申し込んだの。
作品の提出には、テーマと字数制限がある。
果たして、私の頭は、
それに応えることができるのか?
書けなければ、
MCI(軽度認知症)を疑っていい。
ちょっと、びくびく出始めた講座。
第1回の課題は、「心動かされた言葉」
字数は、なんと400字。
原稿用紙、たったの1枚。
うわぁ、短かっ!
俳句より難しいわ。
書けるかなぁ…。
久しぶりの文づくりに四苦八苦して、
何とか書き上げたのが、コレ。
どうぞ、読んでください。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
❮心動かされた言葉❯
世界一弱いヒーロー
東日本大震災の後、何度も流された曲がある。
それは、アンパンマンのマーチ。作者のやなせたかしは、激励のメッセージを書いた。
「おそれるな。がんばるんだ。勇気の花が開くとき、ぼくが空を飛んでいくから。きっと君を助けるから。」と。
アンパンマンは、昨年、五十周年を迎えた。顔があんパンそのもので、食べることができる。お腹を空かせた人に、自分の顔をちぎって分け与える。やなせは、「世界一弱いヒーロー」と自嘲するが、戦うことよりも、救うことこそ正義、という強い信念がある。
テーマソングの深い意味に気付く大人も多い。特攻隊で亡くなった弟へのオマージュが滲み出る内容だからだ。やなせは言う。「正義の戦いなんて、どこにもない。献身と愛によって救うこと。救うことこそ正義だ。」と。
来年春、NHKの朝ドラで、やなせたかしの生涯が見られる。遅咲きの漫画家の、寄り道人生がどのように描かれるか、楽しみだ。
2024年11月2日
❮講評❯
◎良いですね。起承転結がしっかりできてい いて、とても読みやすい文章になっています。
「アンパンマン五十周年」とか、来年、NHK やなせたかしの生涯がドラマになるという時 宜を得ているところもいいと思います。講座 で言っている「材料の良さ」になるからで す。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
あ~、ほっとした。
何とか、400字にまとめられた。
書きたいことを削って、削って、
芯だけにした。
講師は、新潮社の元編集長。
C・W・ニコルさんの担当者で、
彼の書籍を出す際のエピソードが
とても興味深かった。
先生からの講義資料は、天声人語などの、
かっちりしたコラムが多かったので、
エッセイ好きの私には、
場違いかと、初めは思った。
でも、さすが編集者。
資料からは、
文づくりの基本を、しっかり学ぶことができた。
次回の課題は、「憧れということ」。
憧れ?
う~ん、憧れ…、ねぇ…。
書けそうで、書けないテーマだわ。
今でも、文章が書ける、
ということがわかったので、
次も、がむしゃらに取り組んでみるわ。
乞うご期待!!
by ころりん
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